EVバイクとは?免許区分の定格出力について

EVバイクとは?

EVとは、Electric Vehicleの略で、日本語では「電気自動車」
EVバイクと言えば、電動バイクといったところです。
EVバイクは、排気量ではなく定格出力で免許区分を行います

ガソリンではなく電気のみで動くものなので排気ガスも出なければ排気音もありません。
最近よく見かけるのがEV車で非常に静かですね。後ろからEV車が迫ってきていても排気音がないので気づかないなんてのはよくある事です。
それをそのままバイクに置き換えたものがEVバイクです。

ガソリン車と同じような扱いになりますが、EVバイクには排気量が存在しません。
免許区分はEVバイク用に定格出力であるkWを用いて区分けを行います。

EV車のように、EVバイクにも明るい未来があるように聞こえますが、
現状の2021年ではEVバイクに懸念点が多く、一般に浸透普及するにはかなり時間がかかる見通しです。
というのも、そもそも航続距離が短い、ツーリング中に給油のように即時満充電にできない。など

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EVバイクのデメリット

EVバイクのデメリット

ハーレーの電動バイク「LiveWire」を例に挙げてみると、
充電時間は80%まで40分、100%まで60分かかる。
航続距離は225kmだが、停止を含めた走行に高速走行を加えたツーリング常用想定であれば140kmとなる。
これではガソリンバイクとEVバイクが一緒にツーリングすることを想像すると絶望的である。
ガソリン車が給油に要する時間は5分程度。5分で充電できるのは航続15km程度。

・満充電で140kmしか走れない。
・充電時間は80%までで40分かかる。
・5分で充電できるのは航続15km分。

「…。」
一緒に走っていて給油タイミングが来ると言葉も出ませんね。
ツーリングプランの全てをEV車の航続距離と給電時間を考慮したものに変更する必要があります。
いままでのガソリンバイクと同じような、長距離ツーリングや給電ポイントの無い田舎道を走るのは地獄を見ることになるでしょう。

また、故障時のメンテナンスが複雑になる可能性が高く、既存のガソリンバイクのメンテナンスに特化した業者でもEVバイクになると話は別です。
ツーリング中に突然の故障。最新のEVエンジンを修理してもらえるだろうか?
ホンダドリームなどの正規ディーラーに加え、レッドバロンや2りんかんなどの大手であれば技術がすぐに追いつくと予想できますが、街の小さなバイク屋さんなどではEVエンジンを整備できる技術が浸透していない可能性もあります。

こうみると結構な量の問題が出てきますね。そして解決策もあまり有用なものがない現状です。

EVバイクのメリット

EVバイクのメリット

このままではEV車が絶望的な状況になるのは目に見えていますが、EVバイクに乗り換えるメリットもあります。
これがツーリングではなく通勤や営業や配達用であれば1日に140kmも走れれば十分です。
また、ガソリンバイクには不可能であったEVバイクならではの予備バッテリーの持ち運びで航続距離を一気に伸ばせるという手段もあります。
そしてなにより電気代が安い。EVバイクの電気代はガソリンの1/3~1/10程度になる。

YAMAHAのE-Vino(イービーノ)を例に挙げてみると
満充電の電気代は14円!
ガソリン車のVino(ビーノ)は、レギュラーガソリンでリッター28kmほどなので、140円で28km走れます。1円あたり0.2kmになります。
対してEVバイクのE-Vino(イービーノ)は、満充電で17km航続可能、充電に要する電力量は、0.55Kw。24円/Kwとすると24×0.55=13.2円。満充電に必要な電気代は13.2円です。
満充電で17kmの走行が可能で、満充電に必要な電気代は13.2円ですので、1円あたり2kmになります。

なんとEVバイクの燃費を計算すると、ガソリン車の1/10の料金となりました。
EVバイクは超絶燃費がいいのです!

(それよりも執筆していて驚いたのは、YAMAHAのE-Vino(イービーノ)が満充電で17kmしか走れない事実ですが…。
(ちなみに0~100%までの充電時間は3時間です。3時間充電で航続17kmって…。

あとは排気ガスが出ないので空気汚染を防げます。火力発電や原子力発電で電力を賄うとなると怪しいですが。。
他にもEVバイクは騒音被害も少ないです。運転者はガソリンエンジンのような振動も少なく疲労は軽減されるかもしれません。

現状のEVバイクにはいろいろと問題が見えてきます。あらゆる面で叩けば叩くほど。
もちろんデメリットだけではなく多くのメリットもあるので、EVバイクへ乗り換えたほうが良い結果につながる方も多数いるかと思います。

EVバイクの免許区分

 

EVバイクの免許区分

そもそもガソリンバイクとEVバイクではエンジン回りの構造が全く異なる為、免許区分も変わってきます
今後EV化が進むにつれて、免許区分やその他法律が改訂される可能性は十分にあり得ます。
※下記の運転免許区分に関わる道路交通法においては2021年3月25日時点のもの。

運転免許区分に関わる道路交通法

EVバイクの車両区分

EVバイクにおいては「排気量」が存在しない為、「定格出力」をベースとして区分けを行う。

  • 0.6kW以下:原付免許
  • 0.6kW超1.0kW以下:小型二輪免許
  • 1.0kW超20kW以下:普通二輪免許
  • 20kW超:大型二輪免許

EVバイクではこのような免許区分になります。
分かりづらいですね。そもそも1.0Kwってどれくらいで、ガソリン車でいえば何ccくらいなの?

EVバイクの定格出力単位であるkWを元に、ガソリン車の排気量や車種で例えると、おおよその目安ですが下記のようなものに該当します。

  • 3.5kWで50cc(ホンダ クレアスクーピー/4.9PS
  • 10kWで125cc(ホンダ CBR125R/13PS
  • 20kWで200cc(ホンダ Vツインマグナ/27PS

くらいのスペックです。
そもそもkWとccを比較する事ができないので、kWを馬力換算してガソリン車の馬力と比較することになります。
世の中の250cc以上の中型バイクはEVバイクの定格出力に換算するとほとんどが大型バイクに該当しそうです。

車両区分に関わる道路運送車両法

道路交通法とは別に車両法というものが存在します。
車両法ではEVバイクの区分けが3つしかありません。

  • 0.6kW以下:原付一種
  • 0.6kW超1.0kW以下:原付二種
  • 1.0kW超:軽二輪

車両法はどんな時に使用するのか?
バイク乗りであれば、普段から気にかけることもなく車両法の表記を使用しています。
自動車の登録や点検整備に用いられる区分に使用されています。

この車両法の中でもEVバイクの区分けがややこしくなってきます。
道路交通法により免許区分と、道路運送車両法による車両区分の乖離など法的な問題も出てきます。
今後の整理に期待してこれ以上ややこしくならないことを願うしかないです。

【EVバイク】と【ガソリンバイク】の馬力を比較

EVバイクの馬力

1kWあたりの馬力は1.35962馬力とされています。細かい数字は省いて、1kWはだいたい1.4馬力としましょう。(逆に、(1馬力は0.7355kW)

先ほどの「運転免許区分に関わる道路交通法」に照らし合わせると、
20kW超:大型二輪免許となる。

つまり、
EVバイクの大型二輪免許にあたる20kW以上は、馬力に換算すると約27.2PS以上になる。

PS(馬力について)
PS=馬力の単位に用いられるPSはドイツ語のPferde stärkeの略で、メートル法から馬力計算が行われる。
メートル法はフランス発祥なので仏馬力とも呼ばれる。
出力を発表する際、主に日本とドイツのメーカー(BMW)が使用する。
HP=馬力の単位に用いられるHPは英語のHorse Powerの略語で、ヤード・ポンド法から馬力計算が行われる。
アメリカ合衆国とイギリス連邦の国立研究所の代表が集まってヤード・ポンドを定義したもの。
出力を発表する際、主にアメリカとイギリスのメーカー(TRIUMPH)が使用する。
オーストラリアはメートル法なのでKTMは日本と同じPS表記。

EVバイクの大型二輪免許区分となる、20kW=約27PS
ガソリンバイクでどのあたりの馬力スペックかというと

CBR1000RR-R(2020年式)
最高出力 (kW[PS]/rpm): 160[217.5]/14,500
=160kW=217.5PS

CBR600RR(2020年式)
最高出力 (kW[PS]/rpm): 89[121]/14,000
=89kW=121PS

CBR400RR(2020年式)
最高出力 (kW[PS]/rpm): 34[46]/9,000
=34kW=46PS

CBR250RR(2020年式)
最高出力 (kW[PS]/rpm):30[41]/13,000
=30kW=41PS

CBR150R(2020年式)
最高出力 12.6kW ( 17.1PS ) / 9,000 rpm
=12.6kW=17.1PS

20kWの馬力は、CBRでいうところの「CBR250RRとCBR150Rの間くらい」の馬力になる。
EVバイクを馬力換算するとかなりロースペックに見えてしまう。

一概に馬力がスペックのすべてではなくトルクや航続距離、車重など様々な要素で判断するものなので何とも言えないものの、
一つの目安として数字化する事は良い事だと思う。

EVバイクの免許区分の特徴として、「定格出力」を元に区分けされる。

EVバイクの免許区分時に最大出力は考慮されていない事には注意が必要。
一般的には「最大出力」は「定格出力」の2~4倍程度になる。

定格出力=エンジンが連続して使うことができる強さの事。歪(ひずみ)があり上下を繰り返します。
最大出力=定格出力の歪に関係なく、短時間に計測できる電流の最高値。これ以上は出力が増加しない状態の数値。

一時的に条件がそろえば最大出力で大きな馬力を発生させることもできるが、最大出力を維持することはできないので定格出力をEVバイクの免許区分に用いる事になっている。
EVバイクの「最大出力」は考慮せず「定格出力」で馬力を比較して、ガソリンバイクの排気量と比較する方が良さそう。

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