EVバイクは車検が必要ない!
その理由は、「道路運送車両法において電動バイクは軽二輪扱いになる」
つまり、250ccバイクと同様に「車検不要」です。
道路運送車両法において電動バイクは軽二輪扱いになると表現しましたが、厳密には異なります。
排気量の存在しないEVバイクでは、定格出力が基準となり、その区分けが3つあります。
- 0.6kW以下:原付一種
- 0.6kW超1.0kW以下:原付二種
- 1.0kW超:軽二輪
その為、1.0kW超のものについては軽二輪、それ以下については原付一種・原付二種の区分となります。全てが軽二輪に区分されるわけではありません。
この3段階の区分けによって、1.0kWを超えるバイクについては全て軽二輪に分類されるため、ツーリングなどを目的としたバイクであれば「ほぼ」軽二輪に分類されます。またこの3区分全てにおいて車検は必要りません。
つまり、EVバイクは車検の必要が無い!
Harleyの「LIVEWIRE」も車検は必要ない
EVバイクの筆頭、ハーレーの「ライブワイヤー」
最高出力は102psで1000ccクラスの大型バイクをも上回るパワー。
なんと時速0km-時速100kmまで3秒で到達する。その後もぐんぐんと加速できるスペックを有している。
実は定格出力は未発表。
しかし、たとえ100kWの出力だったとしても1.0kWを超えるものは全て車検不要の「軽二輪」に分類される。
この圧倒的なスペックを持つスーパーバイクでも250ccと同様の扱いで車検は不要です。
- 「LIVEWIRE」のスペック表
この既存の大型バイクにも勝る圧倒的なスペックでも車検がいらないとなると、ほとんどのEVバイクが車検不要と言われることも分かってもらえるかと思う。
ちなみに車検は不要なものの、免許区分はしっかりと大型二輪免許が必要になるので注意が必要。
国土交通省が定める車両検査の必要な自動車
国土交通省が定める自動車の種類に準ずる(参考資料:https://www.mlit.go.jp/common/001324210.pdf)
定義では250cc以下は車検不要(参考資料:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/sikumi/sankou_01.htm)
自動車の種類 | 代表的自動車 | 検査 | 登録 | 届出 | 管轄機関 |
普通自動車 | バス トラック 乗用車 | 〇 | 〇 | × | 運輸支局 又は 検査登録事務所 |
小型自動車 | 小型トラック 小型乗用車 | 〇 | 〇 | × | |
小型二輪自動車 | 大型オートバイ (251cc以上) | 〇 | × | × | |
軽二輪自動車 | オートバイ (126cc~250cc) | × | × | 〇 | |
大型特殊自動車 | ロードローラー ブルドーザー | 〇 | 〇 | × | |
軽自動車 | 軽トラック 軽乗用車 | 〇 | × | × | 軽自動車検査協会 |
赤字にしたところの軽二輪(126cc~250cc)は「検査」項目が「✖」ですので、車検が必要ないという事です。
小型特殊自動車 | フォークリフト 農耕トラクター | × | × | 〇(注) | 市区町村 |
原動機付自転車 | バイク (125cc以下) | × | × | 〇(注) |
また、原動機付自転車(125cc以下)も「検査」項目が「✖」ですので、車検が必要ないという事です。
(注)小型特殊自動車及び原動機付自転車については、道路運送車両法上の届出義務はありませんが、条例により市区町村へ届け出ることになっております。
道路運送車両法に基づくEVバイクの位置づけ
定格出力(電動自動車) | 0.6kW以下 | 0.6kW超~1kW以下 | 1kW超 |
エンジン排気量(内燃機関自動車) | 50cc以下 | 50cc~125cc | 125cc超 |
二輪車区分 | 第一種原動機付自転車 | 第二種原動機付自転車 | 軽二輪自動車 |
参考資料:https://www.mlit.go.jp/common/000212867.pdf
先述の「国土交通省が定める車両検査の必要な自動車」にあった軽二輪自動車の項目がありますね。
定格出力は1kWを最大として位置づけされています。
つまり、
1kWを超える定格出力の二輪車においては、区分けが存在せず全てが軽二輪自動車に分類される。
そこで、国土交通省が定める自動車の種類と車検の必要性において、軽二輪は車検が必要ありません。
ということで、EVバイクは現状では車検が必要ないという事になります。
二輪車の出力規制について【石井大臣会見要旨】
EVバイクの出力規制が3区分しかない現状について、国土交通省会見室で石井啓一 大臣が発言されています。
2018年12月4日(火) 9:05 ~ 9:14
国土交通省会見室
石井啓一 大臣
(問)二輪車の出力規制について、このままでいいのかということでお尋ねしたいと思います。
現在のEVバイクの出力規制は3区分しかありません。
事実上、車検がない状態でも、EVがどんなに出力があっても走れることになっておりますが、そもそもの車検の意味と、もう一つは、この ままでいいのかということについて、御所見をお願いいたします。
(答)二輪の電気自動車、EVについては、現在、モーター出力の大小によって構造が大きく異なっておらず、また、現在市販されている二輪車のサイズも一定以下でありますことから、車検の対象とはなっておりません。
しかしながら、今後、メーカーの二輪EVの開発・普及動向や事故の発生状況などを踏まえまして、その必要性の有無を検討してまいりたいと考えています。
また、二輪車の車検は、四輪車と同様に、車両の不具合に起因する事故が一定程度発生しておりますことから、使用者に点検整備義務を課した上で、保安基準に適合しているかどうかを国が定期的に確認することによりまして、車両の安全性を確保するものであります。
(問)そうなると、国のルールが決まっていないと、車検があるかないかというのは販売動向に大きな影響を及ぼすことになりまして、それが決まらない状況でEVバイクは普及しないのかと思いますが、いかがでしょうか。
(答)冒頭申し上げたとおり、現状では車検の対象とはなっていないということでありますけれども、今後のメーカーの開発・普及動向や事故の発生状況などを踏まえて、車検が必要かどうか、その有無を検討していきたいということであります。
良いところを突きますね。そもそもの車検の意味とは?
なぜこのような圧倒的スペックのバイクを運転するにあたって、既存のモーターの構造やサイズで推し量るのでしょうか?
では仮に、
近い将来、原動機付自転車と同等モーターで3秒で時速100kmまで加速できるスペックのバイクを実用化できたとして、既存の原付免許で運転できてしまって問題はないのか?
素人目に見ても問題がありそうですよね。
極論ですが、それに近いものが今、EVバイクの参入が原因でいくつも問題が沸き上がってきています。
しかし、極論に迫っているのが現状。未来に何が起こるのかは決まっていない以上、法も規制も順応していくしかないです。
今後の二輪車の出力規制について
先述のような質疑応答が2018年から行われています。
EVバイクの出力規制について、明らかに不自然な点もある。
そもそも車検とは、
「バイクが保安基準に適合しているかどうか定期的に検査・確認するためのもの」
そこで、本当に3秒で時速100kmまで到達する圧倒的性能を有するEVバイクを車検なしで運転しても支障ないか?
道路交通法と道路運送車両法の「ねじれ現象」など。
明らかに事を急ぎすぎて、法的整備が間に合っていない状態に見える…。
という事で、「現状では」バイクは車検が必要ない。といった記事でした。(2021年4月)
今後は何かしらの法的整備が行われる可能性は十分にあり得ます。
今後、EVバイクに車検が必要になったりEV課税なるものが導入されたりと、制度が順応する未来も見えます。
車検や税金、燃費などで維持費が大きく変わったり、制度を改定することで安全面への意識を改めるなど、慎重に整備してほしいものです。
EVバイクの車検についてのFAQ
EVバイクに車検は必要ない?
道路運送車両法に基づくEVバイクの位置づけは?
定格電力が 0.6kW超~1kW以下であれば、排気量50cc~125ccと同等の「第二種原動機付自転車」となります。
定格出力が1kW超であれば、排気量125cc超と同等の「軽二輪自動車」となります。
今後もEVバイクに車検は必要ない?
そもそも車検とは、「バイクが保安基準に適合しているかどうか定期的に検査・確認するためのもの」であるため、EVバイクの出力規制に危険性を見いだされれば、制度の改定は必要視されるでしょう。